「わた」の世話ないよ!

色々好きなことを、適当に。

'251006西ノ冠岳南稜

西冠南稜は、

西ノ冠岳と面河ノ頭の間のコルから西冠ピークへ向かって延びる尾根

短いササ尾根だが、

三つの岩峰が西ノ冠岳の玄関口を守る前衛のようにも見える

ずいぶんむかしに、

この岩峰群をかわしながら西冠へ登頂した思い出がある

正面突破は未経験だったので、3岩峰の登攀に挑戦してみた

 

夜が明けるのを待って土小屋を出発

あたりは濃いガスが立ちこめて、

まったく出だしから気分をそがれる天気だった

万が一、岩壁が乾かずに登れなかったとしても

下見はできるじゃないか、と頭を切り替えて歩いた

 

面河乗越をこえると、雰囲気は一気に好転した

いきもののようにもぐもぐ動くガスが、北から南へ主稜線をまたいで越えてゆく

 

南稜の基部から見上げると、3,2峰が屹立している

 

3峰の取付点へ

 

 

10時クライミング開始

左手は面河本谷、右手は高瀑渓、

両谷底へずっと斜面がつながっているので高度感が相当ある

 

 

 二ノ森方面

3峰終了点から、絶好のクライミング日和に気分が高揚する

西冠南壁

3峰ロープスケール20m、支点カム3、木2

懸垂下降なしで2峰基部へ降りられた

 

つづく2峰と1峰、紅葉は始まったばかりのようだった

2峰ロープスケール15m、支点木4

1峰ロープスケール10m、支点ハーケン1、木2

 

1峰の先は尾根の幅が広がり、ササとシラベの斜面になっていた

石鎚幕岩や頂上の登山者を眺めながらひと息、13時クライミングの装備を解く

思いのほか簡単にクリアできた南稜

高瀑渓と面河本谷を眼下にして、

登攀中に見渡せる眺望は高度感が倍増して抜群、

これは予想外のご褒美だと思った

靴を履き替えて斜面を登ると西冠ピークはすぐだった

 

 

銀色に光る面河カールと西ノ冠岳をあとにして、帰り道を急いだ

知名度が低く人気のない山の、

そのまた名も知れぬ尾根であっても、

地元ならではの面白い山遊びを実施できたことが、

すこし誇らしかった